永遠回帰-side.C-

 繰り返される激しい戦いの果て。
 セフィロスの人形と称され、それまで共に生命を賭けて戦い続けて来たクラウドが、実は本当のクラウドでは無く、黒マテリアをセフィロスに手渡したばかりに、メテオ来襲と言う世界崩壊の序曲が奏でられる事になってから、随分と時間が過ぎたような気が、ヴィンセントにはしてならなかった。

「クラウド…」
 ハイウインドの甲板で、風に嬲られるに任せた漆黒の長髪が、憂いを秘めたヴィンセントの表情を消し去っていた。
 こんな顔をしていたら、きっとあのクラウドは怒るに違い無い。
 それでも、ヴィンセントにはクラウドを想う事が止められはしなかった。
 何故なら。
 ホンモノのクラウドでは無い、とティファに謝っていたクラウドが、ヴィンセントと再会したニブルヘイムで確かに思い出そうとしていたではないか。
 あれが偽物の訳が無いと、ヴィンセントは確信していた。
 あのクラウドは紛れも無く本当の、五年前に出会い、肌を重ねた愛しい存在だ。
 例え、誰が違うと言ってもヴィンセントは信じている。
 ニブルヘイムで再会を果たした後、それこそ幾度と無く、クラウドはヴィンセントと身を繋げた。
 その都度、困惑と葛藤で苦しむクラウドを見なければならなかったのは切なかったが、必死でクラウドが奪われた何かを呼び起こそうとしていたのだけは確かで。
 だから、ヴィンセントは無理強いを止めた。
 時間さえ有れば何れ呼び起こされるだろうから。
 本物の想いは。
 確かめ合った刻は。
 それまで待っても良いと心に秘めたのに。
 これまでも待って待って待ち侘びたのだから、それが少しだけ伸びたのに過ぎないと思っていたのに。
 クラウドは、いない。
 何処にも、いない。
 竜巻の迷宮での大崩壊で、セフィロスに奪われて以来、その消息は知れてはいなかった。
 でも、生きている。
 それだけは、分かる。

「ヴィンセント!」
 ぼんやりと虚空を唯眺めているに過ぎないでいるヴィンセントにその時、シドの大きな声が放たれた。
「もうすぐミディールだぜ、ぼんやりしてる暇なんざ何処にも無いぞ?」
「ああ、分かった…」
 もしかしたら、ミディールにクラウドが辿り着いているかもしれないと言う不確かな、しかも些細な希望を持って彼らはそこに向かっていた。
 やっと着いたのか、などとぼんやり考えながら言われたままに動くヴィンセントに、シドは低くその耳元に囁いた。
「生きてるって…信じてるのか?」
「信じている」
すかさず返る応えに、シドの口許に苦笑が浮かぶ。
「そんなに…愛しいのかね、同じ性別のモンが…」
 途端、ヴィンセントの視線が跳ね上がる。
 気付かれていたなど、思ってもいなかったので驚きに目を剥くと、射るように睨み付ける。
「おー怖い怖い…、本気で睨むなよな?」
 ヴィンセントの反応に、言葉こそ怖がってはいるがシドはニヤニヤと意地の悪そうな笑顔を浮かべてその顔を覗き込んで来る。
 そのシドの眼差しから、慌てたようにヴィンセントは顔を背けて避けようとしたが続く言葉に動きを封じられた。
「何だ…お前とクラウドの関係が知られて無いとでも思ってたのか?」
 そこまで間が抜けてると思ってたら、大間違いだぜ。  
 シドの揶揄うような口調を耳にしてヴィンセントの肩が僅かに落ちる。
「…それでは…皆、知っている訳か…」
 ポソリと低く呟くと、シドはニヤリと笑って否定の言葉を咥えていた煙草の紫煙と共に吐き出した。
「皆が知ってる訳じゃない…ま、多少カンが鋭かったらってヤツだけどな…」
 特にお前さんの場合、飄々としていて掴み所が無いから良く見て無いと気が付きにくいと思うけど。
 シドの呟きに、幾分ホッと安堵の息を吐き出す。
 別に誰に何を言われても気にする性格では無いつもりだが、知られたくは無い人も居ない訳では無いのだ。
 だからシドもわざわざこっそり言って退けるのだろうと理解している。
「それにしても…何処が良いのかね…。ま、恋愛ってのは自由なモンだから、一概に善し悪しなんて解るモンじゃ無いけどな…」
第一、他人がどうこう言う筋合いじゃ無し。
「兎に角、先ずは行ってみなけりゃな。悩むのは無事を確かめてからでも遅か無いしよ」
「ああ…」
 応えるヴィンセントの面に、僅かながらに生気が蘇っていると気付いてシドは薄く微笑むのだった。






 フワフワな感覚が周囲に満ちていて。
 とても気持ちが良い。
 安心して身を屈めて丸まっていられる。
 まるで母の胎内で育まれていた時のように。
 だから。
 遠く近く、はっきりとしない何かが呼ぶ声は、鬱陶しくて邪魔だと思う。
「…何時まで、此処にいるつもりなんだよ?」
 些かぶっきらぼうな、それまでのどんなものよりも間近なその声に驚いて顔を上げると、少し怒ったような顔が直ぐ傍らに在った。
「…折角お前の幼なじみの子がわざわざあんなに切ない思いまでして、お前に呼びかけてくれたってのに…一体何してるんだよ?」
 厳しい口調に顔を背ける。
 そんな事は、分かってるよ。
 でも、此処に居たいんだ。
 戻りたくなんて、無いんだよ。
 明かな愚痴を耳にして、呆れたように肩を竦めると声の主は嘆息を漏らした。
「いいのか? このままで」
 いいんだよ。
 だから放って置いて欲しい。
 だって戻ったら、戦わなくてはならないんだ。
 それは絶対に変えられない、もうとっくに決まっている事なんだ。
 それが嫌なんだよ。
 頬を膨らませてプイ、と顔を背けてまた小さく丸くなろうとすると叱咤する声が突然飛んだ。
「馬鹿野郎!」
 びっくりして動きを止めると、その良く見知った、とても大事な友人が顔を顰めてから、チッチッと右の人差し指を振りながらに窘めの言葉を掛けて来る。
「お前はそれで良くっても、お前をひたすら待ち侘びてるヤツにはちっとも良くは無いよな? それでも良いのか? 構わないのか?」
 優しい声音に胸が僅かに痛みを訴える。
 それが何を意味しているのか、無論解っている。
 でも、此処でこうして身を委ねていたいのだ。
 此処なら誰も、自分を責めない。
 暖かい波動に包まれ、安心していられる。
 だけど。
 胸の奥を憂いを湛えた切ない真紅の瞳の主の、端正な貌が微かに過っただけで、ズキンと重みを持った痛みが走り抜けた。
 このままでいたら、ずっとあの瞳から憂いは消えないのだろうか。
 自分の我が儘で、彼の人をひとりきりにしてしまっていてもいいのだろうか。
 そんな思いに心が自然に苛まれ、何時の間にか俯いてしまっていた顔を上げて苦し気に目前の親友を見つめれば。
「…ああ、そうだよ。解っているのなら戻れ…。戻って幸せにならなきゃ駄目だ」
 だけど。
 その為には、戦わなくてはならないんだ。
 彼の存在と。
 狂気に彩られてしまった、とてつもなく強大な力の主と戦って勝利を勝ち取らなくてはならないんだよ?
 それが、凄く怖いんだ。
 勝てなかったら、敗北してしまったら、どうなってしまうか考えたくないんだよ。
 不安に彩られ揺らぐ存在へ、忽ち檄が飛ぶ。
「生意気言ってるんじゃないよ、馬鹿。そんなもんやってみなきゃ解らないだろうが!」
 叱咤の声音が放たれるけれど、それは決して不快なものでは無かった。
 それに。
 それに、お前は?
 俺はまだしも、お前は帰る事が出来ないじゃないか。
 もう決して。
「俺? 俺は良いんだよ。だって俺の幸福は、お前の幸せなんだからさ」
 ニコリ、と変わらぬ優しい笑顔で応える親友の、心遣いが切ない。
「馬鹿…そんな顔するんじゃないよ。俺は自分の人生に悔いなんてないし、お前に出会えた…唯それだけで十分だって思ってるんだから。その俺の思いまで、お前は否定するつもりじゃないだろ?」
 優しい声が降りてくる。
 優しい表情で見つめてくれる。
 いつもいつも、変わらずお前は傍らに居てくれた。
 俺はお前が大好きだったよ。
「俺も、さ」
 うん。
 分かってる。
「もう、大丈夫だな?」
 俺が居なくても、大丈夫だな?
 声、に応えるようにゆっくり立ち上がって不敵な笑みを浮かべて、凜と頷く。
「ああ、もう大丈夫だ」
 思惟では無く、自らの声で応えれば。
 彼の人はニヤリと笑って親指を立てた。
「じゃあ、行けよ。行って力いっぱい幸せになれ」
 お前の一番想う人の側で。
 誰よりも誰よりも、幸せになれ。
「そうする」
 ニコリと笑顔で返して来る、誰よりも何よりも大切だった存在が真正面から見つめて来る。
 本当だ。
 もう、大丈夫だな。
 こっそりと思った時、問いかけが向けられた。
「また…逢えるよな?」
「ったりまえだろ? 魂ってのは永遠不変なんだぜ?」
 第一お前。
 此処を一体何だと思ってるんだよ。
 ライフストリーム。
 魂の還る、唯一の場所。
 揶揄うようなその応えに満足して、彼は天を仰いだ。
「じゃあ…またな、ザックス」
「ああ…またな、クラウド」
 今度は振り返らず、大切で大切で仕方なかっ存在の、魂が浮遊したかと思った刹那。
 目前から不意に掻き消えた。
 戻ったのだ、彼は。
 自分の今、在るべき場所に。
「またな…」
 既にいない存在へ、かつてザックスと言う名だった存在は別離の言葉を零した。






 自らを取り戻したクラウドとの再会を喜んだのもつかの間。
 クラウドは真顔でセフィロスと雌雄を決すると言い放ち、彼らは今、その為の準備に余念の無い時間に追われていた。
 強大無比なる存在と化した、壮絶なる存在との戦いに勝利しなければ未来など在り得ないと識り過ぎている彼らの現在状況は、如何にして優位に戦えるかに尽きる。
 故に、それに必要な力は全て入手しなくてはならないとの判断で日々を奔走していた。
 たった今も、戦いのひとつを終えた所であった。
「ふう…」
 額の汗を拭い、金属の壁に背を凭せたクラウドの、疲弊しきった 吐息が漏れ出る。
 神羅が人類の英知を終結したと称される、ミッドガル。
 その内部で仲間たちと分断しての行動途中は、うんざりする程繰り返される神羅兵との戦いであった。
「ヤバイな…魔力も体力も、限界寸前てトコだ…」
「…そうだな。そろそろ休んだ方が良いだろう…」
 シドの言葉に頷いて、クラウドは周囲を見渡す。
 この辺りは既に敵の気配は感じ取れないと判断して、安全領域を見つけるとそこに荷物から取り出したテントを放り投げる。
 床に着地するなり忽ち圧縮されていたそれが膨張して、3人程度の大人が寝転がるには十分な広さの簡易寝室が出現した。
後は、そこで暫くの休息を取れば再び戦いに赴けるだけの気力と 体力は回復するお手軽な代物の出入り口の布を捲り上げて真っ先にクラウドは中に入り込んだ。
 その後を追ってヴィンセントが入ろうとした時。
 彼の肩にポン、と手が置かれた。
「シド…?」
「俺はちょいとヤボ用済ませて来るから…話をするんなら今のうちにしとけや」
 片目を軽く瞑るシドを、唖然と見遣っていたヴィンセントだったが、彼の言いたい事を理解して低く応えた。
「…済まぬ…」
 それに手を上げる事で応えるだけに済ませたシドを背後に、ヴィンセントはテントの中に身を滑り込ませた。
 何故、シドがこんな風に気を利かせてくれるのかと言えば。先程の戦いの前の、ハイデッカーとスカーレットとの戦いで、この先に宝条が待ち構えているらしいとの情報を入手したからだった。
恐らくこの先で待ち受けているものは、ヴィンセントにとっての決着戦であろう。
 彼を悪夢に叩き落とした元凶との戦い前に、遣り残した事や言い残した事にケリを着けて置けとシドは言いたかったに違いない。
 あのマッドサイエンティストが、何の準備も無しに唯彼らを待っている訳が無いだろう。
 とてつもなく激しい戦いになる事は想像に難くない。
 下手をすれば命を落とす可能性も在る。
 だから。
 気を利かせてくれたシドに感謝しつつヴィンセントは目前に在るクラウドを見つめる。
 ヴィンセントにとって遣り残した事など、たったひとつしか無かった。

「クラウド…」
 そっと低く名を呼ぶと、既にアーマーを外し寝転がっていたクラウドがゆっくりと身を起こし、訝しむように視線を漂わせる。
「…シドは?」
 そこに無い存在の名を漏らすと、ヴィンセントは応えを返した。
「…ヤボ用、だそうだ」
「ヤボ用?」
 疲れ果てているのに、何の用だと言うのだろうか。
「今は…少しでも休んだ方が身のためだって言うのに…」
「そうだな…」
 困ったようなクラウドの呟きに、ヴィンセントは苦笑を零しながらその傍らに腰を下ろした。
こうして間近にクラウドを感じるのは、本当に久しぶりで何から切り出せば良いのか、分からない。
 ミディールで発見され自我崩壊していたクラウドの意識は、戻っても結局以前の彼と変わりは無かった。
 否、逆にもっと遠退いてしまったような気がしてならなかった。
それまでの事の総てが、全く無かった事のように振る舞うクラウドに罪は無い。
 在るとしたなら、自分自身か。
 掛ける言葉が見つからず、溜め息を漏らすのみのヴィンセントを、暫くの間黙って見つめていたクラウドが、その時、小さな、本当に小さな呟きを唇に乗せた。
「…参ったなぁ…」
 けれど、狭いテント内の、しかも直ぐ傍らに在るヴィンセントの耳に、それははっきりと届いたのだった。
「クラウド…?」
 怪訝な眼差しで見下ろして来るヴィンセントを、クラウドが少し困ったように見つめる。
「…何もかも、全部終わってからってつもりだったから、それまでは我慢しようと避けてたのに…。こんな風に二人だけになっちゃうと、それも無理なんだ。だって…」
 一旦言葉を切り、目を見開くヴィンセントにクラウドはそっと腕を絡めた。
「だって俺…幸せになりたくて、戻って来たんだから…」
 誰よりも幸せにならなくちゃいけないんだから。
 唯一無二の親友が、笑って見送ってくれた以上は、絶対に。
 満面に笑みを浮かべて囁くクラウドに抱かれたヴィンセントの身が、小刻みに震えたかと思った刹那。
「クラウド…!」
 掠れ気味の声を放ってヴィンセントの腕が、強くクラウドを抱き締めていた。
「ごめんよ、ヴィンセント…あの時、約束守れなくて…」
「良いんだ…そんな事は…」
 もう、どうでも良い些細な事だ。
 第一あれは、クラウドにはどうする事も出来ない不測の事態ではないか。
 それを責めて、何になる。
 大切なのは、大事なのは、クラウドが己を想ってくれているという真実だけだ。
「…相変わらず可愛い事を言ってくれるな? お前は…」
 嬉しくて溜まらず、クラウドを抱いたままヴィンセントは言葉を募らせる。
 たった一人の存在のための、言葉を。
「な、何が、だよ…」
 焦ったように応えるクラウドの耳が、ヴィンセントのクスリと笑う吐息が響く。
 それが擽ったさに快さの伴ったものだったから、クラウドの目許に朱が走る。
「総て終わって生き延びてから、なんて愁傷な事など言い出す辺りが、な?」
「だ、だって…」
 焦るクラウドの両手は自然にヴィンセントの背に回され、ギュッとしがみついて来る。
「やっぱり…けじめって必要だと思わない?」
 こう言う所は、あの頃と少しも変わらない。
それが溜まらなく嬉しくて、ヴィンセントはクラウドの唇を軽く奪った。
「…時と場合によりけりだがな…?」
 応えを返すヴィンセントに、口づけされた為にか耳まで赤く染めたクラウドが唇を突き出す。
「相変わらずなのは…ヴィンセントも一緒じゃないか…」
「そうだな」
 艶やかな微笑みを浮かべるヴィンセントの、綺麗な貌に見入った後、クラウドは自らの全てを委ねるべくゆっくりと身体中の力を抜いた。
「やっと…約束、果たせた…」
「…ああ…」
 腕の中の重みを実感しているヴィンセントに、クラウド は呟く。
「では…あの時の私の問いにも、答えて貰えそうだな?」
「…未だ、そんな事言ってるし…」
 思わずクスクス笑うクラウドへ、ヴィンセントが真顔で繰り返す。
「もう、答えを…貰えるのだろう?」
「…それ、真面目に言ってる…のか?」
 驚いたようなクラウドの声音に、些か憮然としたヴィンセントの声が落ちてくる。
「無論だ」
 瞬間。
 プッ、とクラウドは吹き出した。
 何故笑われてしまうのかが解らず、ヴィンセントの表情は顰められたままだ。
 クラウドは仕方ないな、とでも言いた気な表情を浮かべるとヴィンセントの唇に自らのそれを重ねて囁いた。
「…あれは、ね。沢山経験しようって意味だったんだ…」
「ク、クラウド…!」
 焦るヴィンセントにクラウドは苦笑を禁じ得なかった。
 何度も肌を重ねれば、何れ慣れて快くなるかもしれないと、そんな意味を含んで言ったつもりだったのに。
 まさか本当に解らなかったんだとしたら凄く自分が間抜けに思えてならないクラウドは、けれど珍しく面を赤らめたヴィンセントを見つめて、そんな事はどうでも良い事に過ぎないのかもしれないと思うことにした。
「…折角二人きりって事だし…」
 誘い文句を唇に乗せれば。
「ああ…折角だからな…」
 流石にそれ以上の言葉は必要では無かったようで、クラウドは内心、ホッと安堵の吐息を漏らす。
 覆い被さって来るヴィンセントの温もりが快くて、静かにクラウドは目を伏せた。
 閉鎖された小さな空間に在るのは、唯二人。
 そこに、誰の邪魔も在りはしなかった。






 テントから少し離れた場所で座り込み、煙草の紫煙を燻らせ、ぼんやりとシドは虚空を眺める。
 その足元に落ちているのは無数の吸い殻と、エリクサーの空の瓶。
「…わざわざ外して遣ったんだ。これでシクったら、ヴィンセント…てめえ、ただじゃおかねえぞ?」
 低く呟き、けれどそれが杞憂に過ぎない事だろうとの予感が胸を過る。
「今だけは…戦いのことなんざ、奇麗さっぱり忘れるとするか…」
 ポケットからバーボンの小瓶を取り出し口を付けるシドの口許に微かな笑みが浮かんだ。

  
NOVEL TOP










駄文

と、言う訳で、ハッピーエンドです。
永遠回帰のシリーズは完結してますが、波瀾万丈な二人の恋は、この先何百年もずーっと続いたりします(笑)

ちなみにこのお話で、一番人気がシドで二番手がザックス。
チョイ役だけど、渋い役所ですもんね♪
肝心の主役二人は、パカップルぷり炸裂な所為か「良かった良かった」だけでした(大笑)

初出/永遠回帰SIDE-B(1997.10.10)